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お久ぶりです。
そろそろ、関東地方も梅雨に入りそうですね。
私は完全に海にシフトしました。
水の上で綺麗なカービングをできるようにと、動画でイメージを膨らましながら、波情報を見ている毎日です。
そんな中、来シーズンのアイテムを見ていたら、またまた気になる物がありました。
Scott から発売になる電動アバランチエアバックです。
もうすでに電動のアバランチエアバックは、
Black Diamond と Arc’teryx から発売になっているので驚きは無いと思います。
ただ今回発表になった
Scott 「Backcountry Patrol AP 30」
は、重量 2,670gというカートリッジタイプの物と変わりがない軽さが魅力です。
今までの電動アバランチエアバックは、3kgは超えていたのがネックでした。
Black Diamond と Arc’teryx より約600g~800g軽量になっています。
まぁ、後は価格の方も軽量化してくれるとありがたいのですが。。
徐々にバックカントリーのアイテムも軽量化が進んできている感じがします。
これからが楽しみです。
今回はそんなことで、現在アバランチエアバックはどれくらいあるの?
と思い、私が調べた範囲でまとめました。
各メーカーがそれぞれシステムを開発していて、共通ではないのでそれぞれ個性があります。
まず、現在のところアバランチエアバックには大きく分けて二種類のタイプに分けられます。
もともとあった ボンベ カートリッジタイプ。
圧縮ボンベの空気の力でエアバックを膨らますタイプです↓
もう一つが、今回の Scott や Black Diamond、Arc’teryx などの
バッテリー充電タイプ。
こちらはご家庭のコンセントで充電可能で何回もエアバックを膨らますことができます。
各タイプのメリットデメリットです↓
ボンベ カートリッジ タイプ
【メリット】
- エアバックシステムの取り外し可能
専用バックパックを変えることにより容量の変更ができる。
エアバック、バックパックの壊れたほうだけの交換で済む。 - バッテリータイプより軽量。
- バッテリータイプより価格が安い。
- 種類が豊富。対応バックパックメーカーも多い。
【デメリット】
- カートリッジの充填が面倒。。
ほとんどのメーカーが一回の充填、3,000円位。
国内正規品でないと自己責任にて、ダイビングショップなどで充填。
なんで練習一回 3,000円。
バッテリー充電 タイプ
【メリット】
- コンセントから充電できる。
- 一回の充電で数回膨らますことができる。
その為、躊躇なくレバーを引く事ができる。
練習も可能。
【デメリット】
- カートリッジタイプより約500~800g位重い。
- エアバックシステムとバックパックが一体型。
容量変更、壊れた場合は全て変えなければならない。 - スノーボード取り付け可能タイプが少ない。(スキーストラップ等で工夫して装着可能な物もある)
- 価格が高い。。。
バッテリー充電タイプのメリットは何といっても、充電をして何回でも使えるところです。
ボンベカートリッジタイプは一回の充填で一回のみ、
なおかつ充填に手間と費用がかかります。。
その事を考えると多少重くてもバッテリー充電タイプという人が多いと思います。
そんな中 Scott の「Backcountry Patrol AP 30」は
デメリットである重さをクリアした点が画期的です。
また、エアバックシステム自体は Alpride E1 System を使っている為、今後 他のメーカーからも発売される事が期待できます。
今回はそんな バッテリー充電タイプ エアバックの方の紹介をしていきたいと思います。
Alpride
Alpride は、2009年にスイスの EPFL大学院工学技術者 達によって設立された、アバランチシステムの専門メーカー。
すでに、Alpride 2.0 System という軽量なボンベカートリッジタイプを発売しており、各メーカーとコラボしてエアバックを発売しています。
Scott、Millet、Ferrino、Vaudeなど。(こちらは、また別記事で紹介します。)
今回は新たに Alpride E1 System というバッテリー充電タイプのシステムを18/19シーズンよりリリースします。
Alpride E1 System
【特徴】
- 18/19シーズンより登場。
- 1,280g の軽量。
- 一回の充電で数回の使用が可能。
その為躊躇なくレバーを引く事ができる。練習も可能。 - 約20分の充電で使用可能。
- 万が一バッテリーが無くなっても、単三電池二本で使用可能。
軽い上に、単三電池でも使用可能とか、凄い。。すごすぎる「Alpride E1 System」。
Scott
Backcountry Patrol AP 30
30L 2,670g
60cm×28cm×19cm
- 18/19シーズンより登場
- バッテリー充電タイプ最軽量
- スノーボード取り付け無し
(バックパックに縦についているストラップにスキーストラップ等で装着可能)
参照:Spirit Outdoors - 背面アクセス無し
Pieps
こちらは追記なのですが、驚きの動画をみつけてしまいました。
次期 Pieps のアバランチエアバック「Jet Force SC 20L」がどうやら「Alpride E1 System」で行くみたいな。。
という事は、親会社である、ブラックダイヤモンド も次期モデルは「Alpride E1 System」という事ですかね。。。
詳しくはこちらで↓
【PIEPS の次期 電動アバランチエアバック 「Jet Force SC 20L」驚きの Alpride E1 Systemで!】
Black Diamond
アメリカ合衆国、ユタ州、ソルトレイクシティに拠点を置くブラックダイヤモンド。
一番最初に、充電バッテリー式のエアバックシステム、
JETFORCE TECHNOLOGY を発表したメーカーです。
元は、Pieps の技術だたったものを買収により共同で開発したとか。
バッテリー駆動ファンで200リットルのエアバッグを膨張させます。
エアバッグは3.5秒で完全に膨張。
3分の膨張後、ジェットファンが逆転してエアバッグが収縮。
万が一雪崩に埋まっても収縮したエアバッグの所が、
エアポケットなり200ml分の空気が作られ呼吸を確保することができます。
参照:Black Diamond Equipment YouTube
参照:ispo
【特徴】
- エアバック膨張後も3分間空気を繰り返し再充填させ、万が一小さな穴があっても膨張状態を維持できる。
- 膨張後3分でエアバックを自動的に収縮し、万が一雪崩に埋まっても、周囲に200ml分の空気が作られ呼吸を確保することができる。
- 一回の完全充電で4回の使用が可能。
その為躊躇なくレバーを引く事ができる。
練習も可能。
Saga 40 JetForce Avalanche Airbag Pack
[S/M] 38 L 3,400g
[M/L] 40 L 3,500g
- スノーボード取り付け可能。
- 背面アクセス可能。
Halo 28 JetForce Avalanche Airbag Pack
[S/M] 26 L 3,300g
[M/L] 28 L 3,400g
- 背面アクセス可能。
- スノーボード取り付け無し。
Pilot 11 JetForce Avalanche Airbag Pack
11 L 3,200g
- 背面アクセス可能。
- スノーボード取り付け無し。
Pieps
こちらも、Black Diamond の「JETFORCE TECHNOLOGY」を採用してのバックパックになります。
PIEPS TOUR PRO 34 JETFORCE AVALANCHE AIRBAG PACK
[S/M] 34 L 3,300g
[M/L] 36 L 3,400g
- スノーボード取り付け可能。
- 背面アクセス可能。
[S/M] 24 L 3,300g
[M/L] 26 L 3,400g
- スノーボード取り付け可能。
- 背面アクセス可能。
こちらも、Black Diamond の「JETFORCE TECHNOLOGY」を採用してのバックパックになります。
THORAX 11 JETFORCE AIRBAG PACK
11L 3,200g
参照:evo.com
Arc’teryx
カナダ、ブリティッシュコロンビア州、ノースバンクーバーに拠点を置くアークテリクス。
バックパックの評判がかなり良いメーカーです
バッテリー駆動ファンで150リットルのエアバッグを膨張させます。
一回の充電での使用可能回数が、マイナス15°で8回、マイナス30°でも1回と多め。
バッテリーは交換可能になっていて、別売りあります。
壊れたり、劣化した際にとても良い作り。
ブラックダイヤモンド の様に、逆噴射でエアポケットを作る機能はありませんが、
構造をシンプルにして誤作動や故障を回避。
撤収は付属のパイプをバルーンの右端の丸い穴に通してエアー抜きをする。
参照:Skiinfo & Bergleben YouTube
参照:chillthings.com
参照:altitude-blog.com
Voltair-System
- マイナス15℃で約8回、マイナス30℃で最低でも1回の展開が可能。
- 小さな穴があってもエアを入れ膨らみをキープ。
- バッテリーは交換可能。別売りあり。
30L 3,500g
- スノーボード取り付け可能。
- 背面アクセス無し。
終わりに
と今のところバッテリー充電タイプは、来シーズンからの Alpride E1 System を合わせて、3つのシステムからになります。
充電で何回も練習できるところ、充填に費用がかからない所が魅力的です。
Alpride E1 System の登場により、重量的にも ボンベ カートリッジ タイプ との差がなくなりましたので、後は価格がもう少し求めやすくなれば。。
そこが改善できれば、もっと普及するのではと思います。
最後に、
アバランチエアバックを装着していれば、必ず助かるという訳ではありません。
正しい装着の仕方、使い方をして効果が出てくるものです。
その為には、やはり練習も必要になってきます。
その点では、バッテリー充電タイプ の魅力は大きいです。
ですが、こんな調査結果もあります↓
楽観的な見方では、展開に成功したエアバッグはエアバッグがなければおそらく死亡していたケースで約5割の人の命を救った。悲観的に見れば、エアバッグの展開に成功しても半数は命を落とした、といえる。
whiteroomski.com より引用
エアバックを身に着けて雪崩に遭遇し展開できたとしても、半数の方は亡くなっている。
雪崩に流されている間に立木や岩との衝突や、深い埋没など、展開に成功できてても助からない可能性もある。
やはりこれが事実なのでしょう。。
さらに、
「リスク・ホメオスタシス」と呼ばれる問題への軽視がある。身の安全を守るための道具を使用することでユーザーのリスク許容レベルが上がる現象がしばしば見られる。エアバッグ着用によって、今まで以上にパウダーにありつける。楽しみも増えるが、リスクも増えるのだ。
エアバックを身に着ける事によっての気持ちの過信により、より危険に遭遇しやすくなってしまうと言っています。
確かに、これが一番陥りやすいかと思います。
エアバック付けてるから大丈夫でしょう~。。
なんて軽い気持ちの方はいないとは思いますが、多少なりとも危険に対して過信が出てしまう。
ここは十分に気を付けたいところではあります。
最初から危険な地形には近づかない。
雪崩に遭遇しない。
それに尽きます。
それでも、エアバックには効果がありますので、保険として身に着けるに越した事は無いのは確かです。
命に値段は付けられませんので助かるのならば安い道具ではあります。
とは言っても、もう少しお求めやすくなってくれればというのが本音です。。。
という バッテリー充電タイプ アバランチエアバックの紹介でした~。
種類が豊富なカートリッジタイプのアバランチエアバックをまとめてあります↓
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【PIEPS の次期 電動アバランチエアバック 「Jet Force SC 20L」驚きの Alpride E1 Systemで!】